2005年02月05日

「 vol.22    「障害者の必要性を形に」

 「 ユニバーサルデザイン( UD ) 」vol.22
ナビゲーター の 小池 久身子( Ko-kumi ) です

 とじまり よーじん 火の よーじん ~~♪
 火災の多い季節 火の始末 お忘れなく
 
 そういや マッチの発祥は横浜だ!
 市長がFM で 宣伝してたっけ・・

 「 vol.22    「障害者の必要性を形に」
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 「必要は発明の母」といわれますが、どの時代にも「必要性」が新しい技術
 を育て、時代の技術を更に進化させるということがあります

 
 私達は日頃障害者に関するものは障害者しか使わない、そんな風に思い
 込んでいないでしょうか?おもしろいことに、昔も今も障害者にとって使い
 やすいものが、実は健常者にも使いやすいものになった、そのような例は
 いくつもあるのです。

 例えば 「ライター」。これは大戦の時に片手を失った兵士が、両手でマッチ
 を擦ることができず、片手で火をつける道具はできないだろうか?こうした
 必要性からライターが生まれました。

 「電話」を発明した人は? グラハム・ベルです。彼の奥さんは耳が聞こえ
 ませんでした。彼は耳の聞こえない人に音を届ける道具を作ろうとして試行
 錯誤し、電話を開発したのでした。

 その当時から考えれば現代の通信技術は格段に進化しました。今や聴覚
 に障害のある人は、電話よりもファックスや携帯メールの機能を享受して
 いますし、これらの通信機器は誰でも使える汎用品として、世の中に普及
 しています。

 キーボートーを目にもとまらぬ早さで叩くこと、これを「ブラインド タッチ」と
 言いますね。 目の見えない人が文字をきちんと書くにはどうしたらいい?
 この点を考慮して開発された製品がタイプライターの原型になっています。

 タイプライターはもともと、目の見えない人が墨字を書く為のものでした。
 ペンにインクをつけて書いていた時代には、「行」をきちんと揃えて書くこと
 は難しいことだったのですね。
 
 日本でも「筆と墨」の時代がありました。行を揃えてまっすぐ書いていくのは
 は難しいことでした(多分ね)。現代社会に生きる我々だって、罫線のない
 葉書やノートにまっすぐ書けと言われたら、とても苦労しますよね。

 これがワープロやパソコンの出現によって、文字は誰でも体裁良くきれい
 に書けるようになりました。(昔は「文字は人柄を表す」などと言われました
 が、おかげで書く人の性格は見えなくなってしまいました・・)
 
 障害者を支援する技術を、AT(Assistive Technology)と言います。これは
 必要とする機能を補おうとする技術開発が、実は汎用製品を生み出すため
 の原動力となっている、とも言えるのです。ATの分野は、今後マーケットを
 牽引するものとして大きく注目されています。
 

Posted by omni at 2005年02月05日 21:58 | トラックバック
コメント

「タイプライターはもともと、目の見えない人が墨字を書く為のものでした」というのは事実でしょうか? 私が知る限り「touch typing」(ブラインド・タッチ)が考案されたのは1880年代で、『Remington Type-Writer No.1』の発売(1873年)の10年以上後です。よければ「タイプライターはもともと、目の見えない人が墨字を書く為のものでした」の典拠をお教えいただけないでしょうか?

Posted by: 安岡孝一 at 2005年04月03日 16:56
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