■■港北ニュータウン・緑道 (5) ・・・・・・・・・・・ 都市基盤整備公団 武藤孝雄
港北ニュータウンには、記録すべき2つのことがあります。
1つは区画整理事業での「申出換地」についてのことです。
将来の用途地域に合わせた飛び換地によって、希望の場所に換地を行いました。これが、横浜市の5つの副都心の一つになる東急SCや阪急SCのあるタウンセンターの街づくりに実っています。なにしろ、ビルの立ち上がりが目覚しいのです。現時点で、60%の立ち上がりとなっています。
2つは、都市設計の基本に里山景観を残した「グリーンマトリックスシステム」の公園づくりです。
昭和40年代初期まで、ここの丘陵地域は手付かずの農村として奇跡的に残っていました。丘陵地のすそをめぐる旧道沿いに、見事な屋敷林も多く見られました。 この生活の匂いを保っている在来の緑を、都市設計に残すことが課題として取り上げられました。その方法が、グリーンマトリックスです。住宅地として利用しにくい谷戸沿いに緑の軸線を確保しました。
19haの総合公園を中心に、4つの地区公園を緑の回廊で結び付けます。2ha規模の15の近隣公園を地域的にバランス重視で配置し、これも、緑の回廊で結びました。公園と公園を緑道と名付けられた回廊がネットワーク化されています。
総延長15kmの緑道には、4.5kmのせせらぎが流れています。
港北NT1317ha全体で、9.3%の122haが、公園になっています。
緑道は、学校用地や集合住宅沿いに配置され、それらの敷地の20%を保存緑地として提供してもらい、緑道の厚みの乏しさを補ってもらいます。緑道本来の10〜40mの幅員も、保存緑地のせいで100mに達している場所もあります。緑道や公園の緑は在来の木々が主ですから、ほんの少しの技能と個人の体力に合わせて、緑の「愛護会」に参加できます。
港北NTは、市民参加で街づくりを進めてきました。公園の利用のほかに、管理に参加する楽しみもあるのです。
以上
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