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"横浜丘の手市民活動ITサポートプロジェクト「TaKMi」の情報誌"

「横浜オムニバス通信」 臨時増刊 3号(発行日2002年4月28日)

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  □  □                           □
 □ □ 1.「横浜のここを変えよう」意見募集の結果について □
 □ □ 2.「横浜のここを変えよう」市民の意見       □
 □ □ 3. 編集後記                      □
 □ □                                 □     
 □□□□ ○●○ □□□□□□□□□□□□□□ ○●○□□□□
        ○○                         ○○  

 横浜オムニバス通信: http://home.catv.ne.jp/dd/taga/omni.htm 

 3月31日の横浜市長選挙で誕生した中田新市長への横浜市民のエールを込
めて臨時増刊2号で「横浜のここを変えよう」意見募集を行いました。
 応募総数は多くなかったのですが、市民の真摯で、暖かい意見応募がありま
した。寄せられました意見はそのまま臨時増刊3号に掲載しました。
 この臨時増刊3号が、中田新市長に届き、このような市民の意見が政策に反
映されることを願いたいと思います。
                            (多賀・小池)
□――――――――――――――――――――――――――――――――――
 1.「横浜のここを変えよう」意見募集の結果について
□――――――――――――――――――――――――――――――――――

  「声をとどかせる」ために発言しなければ時代はかわらない。

自分の意見をはっきり言えば「声がとどく」ことに市民は気がつきはじめてい
る。新しい政治の流れを市民が作り始めている。(朝日新聞:木元教子談話)

私達横浜市民はあの日、閉塞状態からの変化を求めて、新しい横浜市への道を
選択しました。既成政党や古いしがらみに捉われない市民による市民のための
横浜市政をどう構築するか、これは新市長の課題であるとともに、選択した市
民の責任だとおもいます。

中田新市長は5月1日の新人事異動に際し、市民団体との連携を強化するため
に市民局に「市民活動推進課」を新設しました。「市民参加によるオープンな
横浜市政」の公約実現への第一歩と評価します。

ITによる新しいコミュニティづくりを目指す私たちは、横浜の新しい変化の
奔流を確実にするために、今、自分の意見をはっきり発言し「声をとどかせる
」ための活動として、オムニバス通信緊急特集を編集することにしました。
中田新市長誕生に思うこと、横浜市民として今考えること、市民が自覚しなけ
ればならないこと、なんでもいいから発言してみようとの声が集まりました。
「IT技術を活用した双方向の政策論議」(中田新市長提案)の実現への第一
歩としてのチャレンジです。
                           (中谷英世)
□□―――――――――――――――――――――――――――――――――
2.「横浜のここを変えよう」市民の意見
□□―――――――――――――――――――――――――――――――――

頂きました市民の方々からの意見は、原文のまま、大きく次のように分類し、
配列してあります。

 A.新市長への総論的な提言   ★1〜★2
 B.新市長への各論的な提言   ★3〜★7
 C.新市長と市民への提言    ★8〜★9
 D.若き市長へのエールと期待  ★10〜★11

――<A.新市長への総論的な提言>―――――――――――――――――

★1 市長のメッセージへの感想と提言     都筑区  福富 洋一郎

以下、「>」部分が、市長の発言引用。●部分が私の意見・感想です。

>市民のみなさんへ 横浜市長 中田 宏

> 日本の経済状況をみると、これまでのように、税金を使って行政があらゆ
>る課題を解決していくようなやり方では限界があるのは明らかです。
>行政と市民、NPO、企業などが協働で、創意工夫を発揮して課題の解決に
>あたる手法を積極的に展開する必要があると考えています。

●この認識については、同感します。特に、地域社会においては、地方政府
(横浜市)だけで解決できる問題は限られています。例えば、緑の自然環境の
保全問題なども、「協働」が不可欠です。通常、「市民」「行政」「企業」の
トライアングル(3セクター)の協働・連携・パートナーシップ・ネットワー
ク、等と言うのですが、そこに敢えて「NPO」を入れたところに、私として
は、新たな施策の可能性を感じ、期待しています。

>そのためには、徹底した情報公開を行うことで、市民の皆さんとの信頼関係
>を強固なものにし、行政改革を一層進めて効率的な行政経営を進めなけ
>ればならないと考えます。

●「協働の基礎に信頼あり」、「信頼なくして協働なし」という発想にも、共
感を覚えます。横浜市で、協働がうまく行っている事例を分析してみると、そ
こには、必ずといってよいほど、「志のある横浜市の職員」と「情熱のある横
浜市民」が存在し、その間には、信頼関係が成立しているように、私には思え
ます。
 ただ、信頼関係を強固にするために、情報開示だけでいいのか、というと、
それだけでは足りません。少なくとも協働をする「場づくり」が不可欠です。
 しかし、情報公開がスタートであることは確かで、しかも我が横浜市では、
情報開示が不十分であったことに、メスを入れられることを支持します。
この時、会社勤めをしている市民にとっては、平日に市役所に出頭しなければ
情報が得られないというのではなく、新情報メディア(IT)を活用し、情報
を取りやすい形態を工夫していただくよう是非ともお願いします。
また、土日に空いている地区センターの更なる活用も検討してください。

> 横浜市は、90%の市民が「横浜に魅力を感じる」と答える非常にイメージ
>の良い都市です。また、市民の自主的な活動が非常に活発な都市でもありま
>す。

●そのとおりです。特に、私の住んでいる横浜市の北部、「横浜丘の手」
と呼ばれる地域(「横浜市民生活白書」平成13年11月発行の84ページ参
照)では、まさにその傾向は強く、もっと暮らしやすさを高めるために、市民
と行政との協働を望んで環境・文化・福祉など様々な活動を行なっています。

> 市民の皆さんと市役所が一体となって、困難な課題に創意工夫を発揮して
>チャレンジしていく。そんな自治体を創りあげるために、力の限りを尽くす
>つもりです。市民の皆さんの積極的なまちづくりへの参加をお願いいたしま
>す。

●市長が初心を貫く限り、市民および市民団体のサポートは得られると思いま
す。市民との協働は、施策のできるだけ早い時点から開始するのが鉄則だと考
えます。先ずは「協働の場づくり」自体の検討に、市民を参加させることから
スタートするよう提言いたします

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★2   自治体比較の勧め           青葉区 中谷英世

 中田さん 新市長として横浜赤レンガ倉庫のテープカットご苦労さまでした。
多目的ホールが都心にまた一つ増えましたね。文化施設の少ない青葉区住民と
してはなんか白けた感じです。
 MM21にはゴールデンウイークに120万人もの人出が予想されるとか、
MM21ばかり力をいれた高秀市政をテーマパーク行政と痛烈に批判していた
声も聞きます。MM21には100円バスが走り、レンタル自転車が提供され
ているとか。市民生活の利便より、観光事業優先ですね。そう言えば、市長選
の直後、湘南のある市長さんが「MM21や都心部に偏った行政への批判の結
果だ」と評した記事を読みました。
 
 ところで、これまでは他の自治体の状況は知る由も無かったんですが、IT
化の今日、自治体のHPから公開された情報を手に入れて比較することが簡単
に出来る時代が来ています。市民によって行政のサービス度がいつも比較され
る厳しい競争の時代になったということです。
市民参加で運営する三鷹市教育会館、近所の施設に図書を届けてくれる世田谷
区、市民利用施設の予約申し込みがコンビニからでも可能な市川市、徹底した
情報公開と市民参加を進める藤沢市、市民活動支援センターの運営団体を公募
し契約条件も公開した横須賀市、ここは電子入札を取り入れ行政の公開性と経
費の削減に効果を上げています。100円コミュニティバスを走らせ高齢者が街
に出やすくした武蔵野市などなど。それに較べて、横浜市は?????
 
 行政窓口の状況は市民との接点だけに、わかり安い行政サービスのバロメー
タです。横浜市の行政窓口が少ないのは日本一です。18区役所と13の行政サー
ビス窓口31箇所で 347万人に対応しているのですから、1ヶ所当たり11万人の
割合。なかでも青葉区は2箇所で27万人、1ヶ所あたり13万5000人でワースト
ワン。バス・電車を乗り継いで半日ががり、運賃往復1000円を超える地区もあ
ります。しかし、役所に来させるのが当たり前の感覚の横浜市は改善する兆し
が見えません。
 概して政令指定都市ほど窓口サービスが悪いのですが、札幌市は連絡所など
が100ヶ所もあり、1ヶ所あたり18000人。特別区の世田谷区は35ヶ所で22000
人に1ヶ所で歩いて行ける範囲に出張所があります。浜松市は「歩かせない。
待たせない」をモットーに28ヶ所の市民サービスセンターを配置し20000人に1
ヶ所。そう言えば、世田谷区から青葉区に移住した人が、区役所が遠いのを嘆
いていました。
 なぜこんな差がついてしまったのでしょうか。24年間続いた天下り官僚市長
の、「役所には来させるもの」との中央集権的発想が原因でしょうか。或いは
飛鳥田市長以来の職員組合優先が理由でしょうか。こんどの選挙結果は、自民
から社民まで無定見の政党横並びと、自治労、連合など職員組合と現職市長が
手をにぎるような緊張感のないなあなあの関係。こんな長年の閉塞状態を変え
たい、市民本位の時代の横浜市政にして欲しいとの期待が新しい市長を選んだ
と思います。
もう一度、「行政とは市民が顧客でありサービスが本業である」ことを徹底し
て欲しい。そうすれば、市民はやる気のある職員を拍手をもって迎えるでしょ
う。           

――<B.新市長への各論的な提言>――――――――――――――――――

★3   「横浜e−デモクラシー」の提案    緑区 多賀 和幸

 今回、横浜市に新市長が誕生し、市民が自ら望む市政が実行される「新しい
風」が、吹くことを期待しています。
 新市長の就任の挨拶でも、徹底した情報公開、行政改革の推進、市役所と市
民の協働、市民の積極的なまちづくりへの参加など私たちが心待ちにしていた、
市民をパートナーと考える政策理念が見受けられます。
 しかしこれらの素晴らしい理念を実現する具体的な施策が提示されていませ
ん。私は情報公開、行政と市民の協働、市民参加などを実現する具体的な施策
として、藤沢市、札幌市、三重県など先進的な自治体で試みられているインタ
ーネットを活用する「横浜e−デモクラシー」の実現を提案致します。
 ご存知のように、横浜市は青葉区の個人/所帯別ネット使用率、全国1位、
所帯別PC所有率、全国2位見られるように、市民レベルの情報化は日本一進
んでいます。しかし残念なことに市役所の情報化や市民の行政参加のための情
報化は全国的にも極めて遅れていると、言わなければなりません。
 
☆  「横浜e−デモクラシー」はなぜ必要なのでしょうか?

●行政は市民の行政サービスに対する意見やニーズを吸い上げる仕組みを持っ
ていません。市民は行政のサービス提供部門に色々な要望を出していると思わ
れますが、これらは行政の仕組みを変える事ができる行政のトップに届いてい
ません。市長への手紙も一方向の要望と回答に留まっています。
●行政の政策決定や施策決定の仕組みが市民に見えていません。いつの間にか
箱物の施設ができたり、サービスが提供されたりしています。
●就業中や就学中であったり、子育て中であったりして自由に時間が取れない
市民、ハンデキャップを持った市民など行政参加が困難な市民は、行政に意見
を言う機会がありません。
●自治会、町内会が住民のコミュニティ機能や行政との橋渡しの役割りを担っ
てきましたが、リーダーの高齢化、若年層の無関心などコミュニティの機能を
十分果たせなくなってきています。

●これらの課題解決は空間や時間の制約を超えて、多くの市民が行政参加でき
るIT技術を活用したe−デモクラシーの実現により可能となります。また行
政と市民、市民と市民の双方向性でオープンな対話や会話を可能にします。そ
うして新しい市民コミュニティの形成を促進します。また箱物行政に比べ費用
は安く、市民の満足度は高いと考えられます。

☆☆ 「横浜e−デモクラシー」を作る場合必要とすることは何でしょうか?

●横浜e−デモクラシーは単なる市民の井戸端会議とすべきではありません。
その理念、目的、運営方針、仕組みを明確にして、行政の政策に反映すること
が必要です。この構想を行政、市民、専門家などで構成するタスクフォース
(公募が望ましい)がオープンな場で練り上げる必要があります。
●電子会議の発足、廃止など電子会議全体を運営管理する運営委員会が必要に
なります。これは行政とNPOの協働が望ましいと考えられます。
●政策提案を目的として一定の期間にきちんとしたアウトプットをだす電子会
議(行政、市民、専門家)と自由におしゃべりを楽しめる電子井戸端会議と分
けて設けることが望ましいと考えます。
●電子井戸端会議はテーマに応じて市民同士が自由な会話を楽しんだり、悩み
を相談したりできる場になります。行政としてはそのテーマの専門家が個人の
資格で参加し、市民の抱えている課題の解決に手を貸しながら、市民のニーズ
を知り、政策提案に反映させることが可能になります。
●完全なオンライン会議は、よい成果を生みません。メンバーの顔が見えるオ
フライン会議もあわせて行うことが必要です。
●電子会議はテーマに応じて市レベル、区レベル、市民団体レベル、自治会レ
ベルで行える仕組みを作っておくことが望ましいと考えられます。
●行政が参加する場合、参加者に業務として位置づけ、きちんとしたインセン
ティブを与える必要があります。また行政内で参加者を支援できる行政内の電
子会議も立ち上げる必要があります。
●横浜市民のインターネット普及率は他自治体に比べて高水準ですが、高齢者
などIT化に取り残された情報デバイドと言われる人々がいます。常設のIT
講習会ができる設備と市民ボランティアのパソコン講師の要請が急がれます。
また、行政の情報提供はインターネットだけでなく、従来の広報誌でも可能な
配慮が求められます。
●行政はこのためメーリングリストやホームページを運営できるインフラとし
てIT環境の整備が必要になります。

<参考資料>
札幌市電子会議室(eトークさっぽろ)
http://www.infommunity.city.sapporo.jp/
藤沢市市民電子会議室
http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/~denshi/
三重県民 e-デモクラシー
http://www.pref.mie.jp/KOHO/plan/e-demo/index.htm
電通総研「eデモクラシーで政治は身近になるか」 2001.6.5 本荘美佳
http://www.dihs.dentsu.co.jp/japanese/research/pdf/edemocracy.pdf
「三重県版“e-デモクラシー”は保守王国をどうかえるか」中央公論 2002.5

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
★4   先ず、情報を判りやすく公開         港南区       米田 晴二

新しい市長に先ずお願いしたいことは「判りやすい情報公開」です。役所は今
も公開しているというでしょう。しかし私が言うのは「大事なことを隠してい
るような作文でない情報」です。

<大きな情報>

「今、困っている難問情報」です。新市長が昨今、市政の詳細を学びつつ
「え!・・なんで?どうして?」が続発している筈。時代の激変で、役所のど
この部門も困っていることが沢山あるのは当然だと思う。日本全体で人口が減
ってゆくことが必至な現在、横浜市も同じことになります。それに先立って財
政の縮小に直面しております。拡大の時代は、少々の難問も「時」が解決して
くれました。しかし縮小の時代、難問は日月を重しにして難度を増してゆきま
す。新市長になった今こそ問題をさらけ出す好機です。周知を集めて将来のた
めに手を打たねばなりません。民間の知恵・経営技術も加えて誤りなき方向を
求めなければいけません。困っている「大きな情報」の公開を。

<小さな情報>

年度末になって突然、公園の整備が始まったりします。利用者に意見も聞かず
に計画された工事が進んだりします。どうせやるならこういう風にやればよい
のに・・・大体思うだけです。

市バスの営業窓口に路線図も置いていない。貸切バスをやっていないなどと、
誤った回答を当たり前のようにする。市民のために仕事をしているとは到底思
えない職員さんたちがいる。

大きなことも小さなことも、スマートに情報公開すること、これが市政を市民
のためのものにする第一歩です。はじめが大事。市民は協力できると思います。

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★5  今年度の横浜市のIT教育    緑区   多賀 和幸

総務庁のホームページに掲載されている「住民へのIT機会の提供等のあり方
に関する検討委員会報告」 http://www.soumu.go.jp/it/
によると、「地域住民は、ITの実践を望んでいるが、継続的な学習の場が提
供されていないし、また住民は、IT実践の機会に恵まれていない。」という報
告が行われている。
またその報告書のなかで、以下のようなニーズの存在が指摘されている。
1)ITの継続的利用に対するニーズ
「一度受講しても、なかなか覚えられない」「聞きたいときに聞けない」「困
ったときに個別に教えてほしい」「電子メールやインターネットの接続設定を
教えてほしい」といった、すぐに聞くことができるヘルプデスクのニーズ
2)ITの発展的活用に対するニーズ
例えば表計算のソフトウェアを学習した受講生が、会員管理や名簿管理の具体
的方法を知りたいと思ったり、プレゼンテーションのソフトウェアを学んだ受
講生が、チラシや会報誌を作成したいなどのニーズ
3)ITの基礎的情報提供に対するニーズ
各種のアプリケーションに関する情報や、プロバイダ・高速回線に関する情報、
ハードウェアに関する情報、携帯端末に関する情報など、いわゆるIT全般の
情報提供に関するニーズ

このような地域住民のニーズに応えるため、以下の役割を果たす「地域ITリ
ーダー」の養成が求められている。
1)IT活用の諸局面における地域住民の質問やヘルプに回答し、適切に対処
する。
2)IT活用の応用的・実践的局面において、ITに関する基礎的な情報を提
供し、かつソフトウェアの活用等についてアドバイスを行う。

これらの地域社会の要請に対して、横浜市など殆どの自治体は、平成13年度
のIT教育をパソコンベンダーに丸投げした。この結果多数の受講生に対して少
数の講師で対応したため、多くの初心者から覚えられなかったという感想を聞
いた。
またボランティアを補助講師として活用するなど、将来のITリーダーの育成
につながる方策もとられなかった。例外的に東京都北区などは、行政と地元NPO
と150名のパソコンボランティアで、IT講習会に取り組みボランティアネッ
トワークができ、ITリーダーを育ててきたところもある。

国はIT講習会を年度前半に開催できるような予算を各自治体に配布するが、
横浜市は昨年同様にするか、ボランティアによる講習を開くかなどは、区の独
自の方法でIT教育を行うと聞いている。
鶴見区は昨年募集した情報ボランティアを教育し、各地域の情報ボランティア
が地区センターで地域のIT教育を行おうとしている。しかし他の多くの区は地
区センターでIT初級教育を昨年度と同様に業者丸投げで行う計画であると聞
いている。

昨年度のIT講習会用に横浜市が各区に設置したパソコン+ネットワーク環境
を25台を単位として地区センターを中心とした講習場所を巡回させるもので、
色々な問題点も内包している。毎回移動させて会場を設定する手間や、会場毎
に異なるインターネット・アクセス回線など、接続に多大の時間と人手がかか
っている。
これらの問題点を克服する手段として、パソコンの一部でも常設会場に設置す
る運営が望ましい。ここにくればITリーダーから継続的な支援を受けること
が可能であり、地域社会におけるパソコンボランティアネットワークの拠点に
もなりうる。またTaKMiがやっているような市民団体のIT講習の会場と
しても活用でき、これらのパソコンの有効活用を図ることができる。

――――――――――――――――――――――――――――――――――― 
★6  残された緑地をこれ以上減らせないで   青葉区 畠   忠

 横浜市の北西部の緑区と青葉区そして都築区は緑が豊かな地区であったが、
土地開発や計画道路などによって緑地は年々減り、ここ10年くらいで残され
た緑地は僅かになってしまった。それでもこれらの地区はまだ横浜市の中でも
緑地が多く残されている方である。
 しかし、この残された緑地も計画道路などによって、破壊されそうになって
いる。交通渋滞を解消するために、確かに道路は必要である。そして、人の住
んでいない緑地を道路にするのは経済的である。
 しかし、一度破壊された緑地を元に戻すにはそれこそ莫大な経費が必要であ
る。残された緑地をこれ以上減らさないで子孫に遺そうではないか。
 道路によって緑地が潰されそうになっている例は、青葉区に計画されている
(仮称)恩田元石川線にみる事ができる。すなわち、子供の国線の恩田駅の東
側にこんもりとした森があり、今この森の中を(仮称)恩田元石川線が通ろう
としている。この(仮称)恩田元石川線は恩田町と元石川町をつなぐ延長7km
の道路として計画されており、このうち、約3kmは区画整理によって既に整
備されている。整備されている道路の一つが南慶院あたりから鴨志田中央を通
り、トキワ松学園に至る道路である。奇妙なことに、この道路はトキワ松学園
前あたりから方向を変え、未整備の部分を含めて、田奈高校脇にまで伸びてい
る。そして、そこから恩田駅の東側の森を縦断し、恩田駅までの道路が計画さ
れているのだ。
 ここで奇妙と書いたのは、青葉区の地図を開いて欲しい。南慶院からトキワ
松学園へ通じる道路は、そのまま真っ直ぐ行けば、すみよし台電話局前交差点
と住吉神社前交差点を経て、恩田駅へと通じる真光寺長津田線に繋がるからで
ある。何故、この既存の道路を拡張しないのか?緑地を道路にした方が経費的
に有利かもしれないが、やはりここは発想を変えて、経費は掛かるが残された
緑地を子孫に遺すべきではなかろうか?さらに、残された緑地を緑道で連絡し、
容易に動物達が行き来出来るような自然の一大拠点を築きあげたいものである。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――  
★7       寺家ふるさと村の県境にて      青葉区 中谷英世
     
中田さん。限られた補正予算の中で、新市長らしい特色を発揮することは大変
な作業だと思います。横浜市政の閉塞状況をどう打開するかその手腕を大いに
期待しています。

 ところで、貴方はミニコミ紙のインタビューで「横浜市の防災対策は、日本
の大都市でも有数の備えが出来ている。これからは、いざという時に実際にオ
ペレート出来る体制を絶えず整備しておく必要がある」と強調され前市長が築
き上げたシステムを評価されていますね。
しかし、大災害発災時の市民への緊急情報伝達に大きな欠陥があることをご存
知なのでしょうか?
 阪神大震災以降、情報が生死を分けるとの教訓をいかし、どの自治体でも行
政防災無線システムを整備し、全ての住民に緊急情報が直ちに行き渡るように
街頭スピーカーやホームターミナルが配置されています。寺家ふるさと村の県
境を超えた町田市三輪町の火の見櫓にはこのスピーカーが据え付けられ、朝夕
の点検放送のほか時には、徘徊老人のお尋ね放送がながれるのです。
しかし、横浜市には350万市民の命を守るこの大事な情報システムがないの
です。この事実を殆どの住民は知りません。
 横浜市の防災計画を見ても、情報は全てマスコミ頼り、それから広報車・ヘ
リコプターでと、道路寸断ライフライン断絶の中では不可能なことが白々と書
かれているだけです。確かに地域防災拠点と市区の防災本部間には双方向の無
線連絡網が整備されていますが、その先、個々の住民への欠くべからざる緊急
情報伝達対応が欠落しているのです。これまでに、緊急避難命令など、住民に
周知する行政と拠点間の緊急情報連絡シミュレーションや訓練が行われたこと
を聞いたことがありません。防災拠点の自治会でも情報伝達を果たす役割を知
らないと思います。
 ということは、住民の接点にある行政にも災害時の緊急情報伝達のオペレー
ションが機能していないことが想像できます。区役所には防災担当係長はいる
が、防災プロの専門職員がいないのです。
IT化が進み、優れた機器が開発されたとしても、市民の命を守るマインドと
オペレーションシステムが機能しなければ・・・これでは、本当に有数の備え
があるとは言えないのではないでしょうか。

 更に、通勤通学者の70%が多摩川を渡り東京に通う青葉区住民としては、
大災害時にどうやって家にたどりつけるか、肉親の安否は大関心事です。
 平成11年、東京都防災対策室では「震災時における昼間都民対策推進計画」
(帰宅難民対策)を決め、毎年、対策と訓練を実施しています。しかし、市民
税を徴収している肝心の横浜市は、東京から逃げ帰る横浜市民の支援や保護、
食料の支給、安否対策などを進めている様子が全く見えません。一度東京都の
ホームページを覗いてください。
http://www.metro.tokyo.jp/INET/ETC/SAITAI/X0B3E600.HTM

高秀市政時代には、住民のための防災情報システムの大きな遅れと、地域の実
態を反映した行き届いた行政マインドが欠落していたことを、中田さんには再
認識して行政を進めて頂きたいのです。

――<C.新市長と市民への提言>―――――――――――――――――――
                      
★8 市が何をしてくれるかではなく、市の為に何ができるか
                        青葉区  辻内 美枝子

 1961年 John F. Kennedy が、米国大統領就任演説で言った「国が何をしてく
れるかではなく、国の為に何ができるか」を思い出しました。J.F.Kのファンで
も、アメリカが好きな訳でもありませんが。
 ほぼ1年前まで、1民間会社の為にだけ働いていた横浜都民だった私にとっ
て、今回の市長選は自分の足元を見直す絶好の機会となりました。30年以上横
浜に住んでおり、特別に不都合と感じたことがなかったのは、本当の意味で
“住んでいた”とはいえなかったのかもしれません。
 川崎市の方がゴミの収集回数が多いと聞いても、それでやっていけるのなら、
いいかもしれないが、とつい民間会社の社員の癖で、収支のことを考えていま
した。横浜市に負債があることは知っていましたが、その額「5兆円+隠れ負
債」という数字は、全く他人事のように思っていたせいか、記憶していません
でした。
今、何はともあれ、私たちは横浜市の財政を健全なものにする為に、不必要な
サ−ビスを断る勇気を持たなければいけないと思います。それによって、もっ
と必要なサ−ビスを要求することも可能になるのではないでしょうか。
 年度末に予算を使い切るという、あらゆる場所で見られる光景も、いい加減
皆がそれぞれの場所で考え直しませんか?それぞれが不必要なことに使うお金
は小額でも、合計の金額は大きくなります。それよりも何よりも、既得権や、
すでに受けているサ−ビスを辞退することは、勇気のいること、つまり自分自
身を変えざるを得ません。そうすることによって初めて、お役人にも”変化”
を要求できるのでないかと思います。
 今まで新聞も地方版は読まなかったので、 漠然としたことしか言えません
が、これからは一市民として色々なことを知ることから始めたいと考えており
ます。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――                      
★9 市民活動団体は、自立する自覚が今こそ求められている
                                             青葉区  小池 由美

 中田さんは、「横浜プライド2002」の冒頭で、「横浜市は、…・多様化
する市民ニーズに対応しなくてはなりません。その難局に臨むにあたって、私
は市民の税金を行政のみの判断によって、さまざまな分野に配分されるような
行政サービスのあり方を根本から改め、市民の意欲・能力に信頼をおき、「市
民力」を発揮していただくことで、効率的かつ効果的な経営を行なう横浜市政
への変革に全力で取り組んでいきます。」と、述べられている。
 いよいよ、市民がその意欲と能力を試される時代になったのです。中田さん
はそれを呼びかけることで多くの市民からの賛同を得、当選されたのだと思い
たい。しかし、果たして市民は中田さんの期待に応えるような、「市民や、市
民団体」になっているのだろうか・・

 私は、1995年にアメリカから帰国し、横浜市青葉国際交流ラウンジでボ
ランティアとして最初の市民活動を始めた。いわゆる公設民営。全国の自治体
を探してもこのような国際交流の分野での公設民営事業は稀有だと思う。市よ
りの委託事業である。市の外国人施策の一環として、市民団体が委託を受け自
主運営を行っている。所管は総務局(国際室)、区では地域振興課。その活動
を続けながら「外国人住民の市への要望」が吸い上げられてゆかない現実に、
次に始めたことは、青葉区民会議に参加し、提言活動を勉強したこと。区民会
議も市民活動団体である。これは、広聴システムの一つという位置付けで、区
政推進課広報相談係が事務局となってくれる。(市民局広報相談部広聴課) 
そのうちに外国人住民が地域にとけこむには、地域で一緒に活動できるような
場が必要だと思い、「共生のまちづくり」を目指して、市民活動のネットワー
ク化を進めた。そのためには既存の市民活動団体との連携や情報交換が必要で
、横浜市の市民活動広域ネットワークとしての「わ」創り連に関わり始めた。
これはそもそも都市計画局が10年も前に全市の市民活動グループに呼びかけ
て行った『市民活動フォーラム』に端を発し、市民側が都市計画局の支援をも
らいながらも自主的に展開してきたネットワークだ。

 さて、「共生のまちづくり」をパートナーシップ事業として区と協働したい
と考えた時、私はどこの課へ行けば良いのか… 市民活動としてとらえるのな
ら、地域振興課でしょうし、共生を強く前面に出せば地域福祉課が支援してく
れそうだ。どの課が末永くやって「もらえる」のか。地域福祉課むけの企画書
、地域振興課むけの企画書は違う。課ごとに使える予算もどうやら違うらしい
。「いい関係」を持っているとなかなか居心地良くやって行けるそうだ。いち
早く限られた情報を嗅ぎとって滑り込むと、市のなんとか事業にも入りこめそ
うだ…

 こんな風に考えてしまうのが、というよりこんな風に考えてしまう習慣を付
けられてしまったのが横浜市の市民活動団体ではないだろうか・・こんなこと
で良いのだろうか・・一部の実力?のある市民活動団体が、いつもなにやら見
え隠れするような事業が多そうだ。外郭団体なのだろうか・・。

 中田さんは、「個人・家族・仲間・組織がそれぞれ持つ可能性を最大限に発
揮する。活力ある地域社会を創る。それの市役所はコーディネート役となる」
と書いている。どうやって、コーディネート役をやるのだろうか…個人が手を
挙げる、市民活動が手を挙げると、従来の担当と呼ばれるところでは必ず「公
平、平等」の論理とやらで「あなただけではないのです。あなたのグループだ
けではないのです」と遠まわしに断られる。自分だけが良ければとか、内の団
体だけを採用してもらうためにどれだけ「裏」で、「こね」をつけてきたのだ
ろうか… この構造は、私たち市民側が考えなくてはならないことだと思う。

 これからの市民活動は事業評価とともに、自己評価が求められる。行政と協
働するためのプロセスの全ての情報公開が求めれらる。 行政へ要望するだけ
ではなく、市民からの評価、市民への活動公開を念頭において進めるべきだと
おもう。

 中田さんは早くも「市民活動推進課」なるものを設置した。課はできた。そ
こに誰がコーディネート役でくるのか…? 冒頭にも書いたが、市民も市民活
動も行政の縦割り事業の中で活動をしているわけではない。必要と思えば広が
っていくもので、局を意識しての活動は無い。局側は、縦割りの中で事業も予
算も枠付きで縛られているようだ。その縛りも越えて、市民活動推進課は市民
団体のコーディネートを進めてほしい。市民は、そして、市民団体は協働でき
るパートナーとして自立しよう。今こそ自立しよう。

――<D.若き市長へのエールと期待>―――――――――――――――――
 
★10 日本改革は横浜から 市政刷新、中田新市長に託す
    “脱横浜都民”、“区への分権”に共感    青葉区  J.K

■ウンザリ市政
「もう“ウンザリ”、早く変わって欲しいな」というのが横浜市長選挙を控え
ての偽らざる気持ちだった。
高秀前市長が登場した12年前はバブル絶頂期。横浜経済を握るミナトに着目
して意欲的な開発事業を計画、推進してきたのは、さすが建設次官まで務めた
行政手腕だと、素直に評価しよう。
しかし当選の翌年には戦後経済を支えてきた土地神話が崩壊、93年には非自
民政権が誕生した。95年の阪神大震災で安全神話も崩れ去り、あとはご存知
“日本病”。それでもミナト中心の大事業は進む。
オリンピック立候補はさすがに取り止めたものの、今度はW杯だ。
東京都知事選に続き、長野・栃木と続いた一連の“プロ”、“相乗り”敗退の
知事選の流れをどう見ていたのだろう。有権者は臨港開発やダム建設など大型
プロジェクトやハコモノ行政に飽き飽きしていたのではなかったか。
人口急増の北部横浜、社会資本の立ち遅れ
青葉区に"移住"してから25年になる。東京都内への通勤者のベッドタウンと
して私鉄沿線に発展してきた横浜北部は、青葉区を中心に、人口だけは政令都
市並みの100万人近い一大住宅地帯となった。
ただ社会資本の立ち遅れは覆うべくもなく、交通混雑や文化・スポーツの公共
施設不足などに悩んでいる。
"移住"世代も老齢化し、"高齢者福祉"が急浮上している。
しかしながら徒らに行政に頼るのは避けたいという、シャイでリーズナブルな
市民意識が強く、最寄駅に出るための満員の通勤バスにも「我慢、我慢」、訪
問サービスの民生委員にも、つい「余計なお世話」と無愛想な応対するのも、
この地域の人々ではある。

■隣接諸都市との住民サービスに格差
さて横浜市の公聴の一翼を担う市民組織「青葉区民会議」の委員として6年前、
市政に多少の関わりを持つようになって驚いたのは、住民サービスの面で隣接
諸都市と、かなりの格差があることであった。
大災害が起きた場合、生活や行政の情報を住民に伝えるのに必要な、街頭スピ
ーカー、「同報無線」網が全くなく、いざとなったら広報車かボランティアの
自転車で廻るしかない。こんなのは、この周辺では横浜市だけらしい。災害情
報の収集では自治体としては日本いや世界に冠たる設備があるというのに・・。
放置自転車もそうだ。お隣の川崎市では、余裕のあるところは歩道でも駐輪場
を設けて対応しているのに、横浜市では、駐輪禁止の建前にこだわり、“放置”
が増えるばかり。これといった知恵もないまま、政令都市でただ一つ、対策の
ための全国組織にも入らず、横浜モンロー主義を貫いている
違法駐車に至っては駅前交番の前でも、お巡りさんは知らぬ顔の半兵衛だ。
県警に聞くと青葉署の警察官1人当りの人口負担は県警平均より5割も多い
1300人。「警察官の配置が人口増に追いつかない」が言い訳だが、一寸警
告だけでもしてくれりゃあいいのに。
ちなみに横浜市の12年度市民意識調査によると、市政に対する要望の1位は、
殆どの区が“福祉”なのに、青葉区は“交通”だ。
交通政策は市政の重要課題。県警との連絡を良くしてね。

■青葉区独立論?
“青葉区独立論”というのをご存知だろうか。市政を論じる時、揶揄を込めて
囁かれる言葉である。横浜は現在18区、等分に1億円ずつ配分される「区づ
くり推進費」を人口別に配分せよという要望に始まり、“特別区”にせよ、人
口27万の“独立市”に、旧港北区(北部4区)による政令指定都市はどうだ。
さらには「お遊びに“青葉共和国”でも作るか」というものまである。
「区への分権」
中田さんは、選挙戦の第一声で「区への分権」を訴えた。
横浜はミナトだけはない。独特のバランス感覚で、広い横浜の地域の特徴を生
かした市政を、という思いからか。それとも政策立案に携わる"カンナイ"のお
役人の奮起を促したのか。
第一声ではさらに、情報公開も含めた市政構造改革論、市長の多選批判。歯切
れがいい。しかし言葉を選びながら訴える、気配り振りは、国政への理想と国
会の現実に悩みながら“無所属”を貫いた“したたかさ”の証明か。

■有権者は正直
中田勝利は北部4区に止まらず、ミナトの外縁、金沢、栄も勝利で覆い、神奈
川、戸塚の東海道筋も接戦。北と似たような悩みを抱えているのだろうか。
今回の選挙を"青葉区の乱"と報じたマスコミがあったが、皮相的だ。横浜の地
図に選挙結果を落として見れば、答えは一目瞭然、ミナトのツケだ。

■脱“横浜都民” 
中田選挙で聞かせたのは「横浜都民はやめよう」であった。
マスコミ用語の“何とか”都民は、実はコメントが必要だ。
所謂“横浜都民”は北部だけでなく、市内住宅地の何処にでもいる。その大半
は自らのふるさとを求めて“移住”してきた人々である。
多忙で地縁感覚も薄く政治的には“無党派層”と受け取られるが、自らの責任
で生活拠点を選択しただけ、ふるさと志向は強く、政治的関心は高い。
政治的差別用語とも受け取れる“横浜都民”というこの言葉を、青葉台出身の
中田さん自身は、ひょっとして苦々しく思いながら育ち、政治家への志を育ん
で来たのではなかろうか。
横浜市長選挙では、今回から不在者投票制度が緩和され、勤め人には大変便利
になった。このため青葉区での不在者投票は、前回の3.6倍の6171人に
達した。政治的インパクトが起きれば頼まれなくても投票所に行く。これが青
葉区の投票率を10%、市全体では5%も引き上げたのではなかろうか。
今年の市民意識調査によると、この5年間に新たに市民になった人は、“横浜
都民”と限らず、36%に上る。人口動態も急激に変化しているのだ。

■推薦候補決定で予備選の勧め
それにしても相乗り市議団はお粗末であった。身近な利害が絡む首長選挙では、
与党は候補者本人が出馬辞退するまで付き合わざるを得ないのか。危機感が欠
如した惰性のお付き合い選挙では勝てない。市会最大の自民党よ、つい1年前
の総裁予備選で小泉さんを推したエネルギーは何処に行った。
僅か半年前、お隣の川崎市長選で四選阻止の反面教師があったのに。
小泉首相が中田さんに会って5万票減ったと党本部に抗議したという報道があ
ったが、自分たちは何をしたのだろう。市民のニーズを吸い上げられない硬直
化したお付き合い推薦では、政治は活力を失うばかりだ。
推薦決定は幹部の談合でなく、予備選で決め方がよりマシだ。
各党とも予備選をするようご忠告申し上げたい。党勢拡張にもつながろう。
面目を保ったのは民社党県連の分裂派ばかりであったが、出陣式に中田応援に
駆けつけた、国会野党の若手議員の鈍感なのに驚いた。国会の“ごたごた”を
取り上げて与党攻撃、「改革、改革」と叫ぶばかり。何処にぶつけていいのか
分からない地元横浜市民の“閉塞感”がちっとも分かっちゃいない。

■直前の出馬表明で油断誘う?
従来的な選挙戦術から見ると、候補の動きなど事務所に聞いてもわからない。
電話作戦も支持者任せといった中田選挙はメチャだった。
それでも横浜市民は新人中田に軍杯を挙げた。脱政党の風というのだろうか。
だが待てよ。今回の勝利は無党派層の勝利というより、高秀陣営の危機感が欠
落した相乗りの惰性選挙が原因との見方も強い。中田出馬の噂は前からあった
が、直前の表明で相手の油断を誘うという計算もあったかもしれない。選挙運
動が長引くと事務所の借り上げ費だけでも大変な出費だ。

■日本改革は横浜から 国政のリーダーに将来を期待
中田さんは日本新党出身だが、新進党の解党以来、民主党にも入らず、無所属
を通した。保守系の自治会長にも支持者が多く、一昨年の衆院選では、首相秘
書官を務めた自民候補を、鎧袖一触の大量得票で三選を果した。
若いながら政治感と行動力は抜群。IWC=国際捕鯨委員会で各国と渡り合う
など国際感覚も養い、新進党時代、かっての自民党の若手暴れん坊集団“青嵐
会”顔負けの活動もし、テレビにもしばしば登場した。
しかし市長就任後の発言を見ると、意外と慎重な姿勢。徒らに先を急いでトラ
ブルを起こすタイプではなさそう。
大丈夫。前外相とも、長野県知事とも苗字は全く反対の「中田」だから。
戦後の横浜は東京を意識しながら、左右に揺れ動いてきた。
在任中、市民の視線で実績をあげ、国政への発言力の確保に努めるといい。
横浜市長を2期8年務めて国会に戻っても、まだまだ若手だ。政界はリーダー
不在のまま、なお低迷を続けているかも知れない。その時中田さんは地方政治
の実績と知名度が大きな支えとなり、ユニークな存在になるだろう。
君は若い。ロマンを忘れず、力を蓄えよう。横浜から日本を変えよう。

中田さん、改革も良いが、あせると真紀子さんのようになる。来年には相乗り
の市会の選挙もある。
当分総論で行き、じっくりボタンの押しどころを研究したらよい。

右肩上がりの時代のお役人は、皆夢を持っていたが、この頃は諸事マニアルの
ように「検討、検討」「本部に伝えます」だ。

最後に言いたい。「中田さん、何時までもロマンを忘れるな」
竹林の凡人、隠居ジャーナリスト

高秀市政の手法は東京五輪、大阪万博などなど、右肩上がりの60〜70年代
の発想と同じではないか。東京湾臨港開発や愛知万博の計画縮小をどう考えて
いたのだろうか。

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★11      中田新市長を迎えて            戸塚区 林

劇的な選挙を経て、中田新市長のもと新しい横浜市がスタートしました。
役所内の旧体制や議会との軋轢なども予測されますが、恐れず、ひるまず、と
らわれず、市長の市民に対する想いを実現してもらいたいと思います。

さて、これからの横浜市ですが、まず財政が厳しい状況下で、中田市長は公約
である積極的な情報公開と、NPOや民間との協同・協力をはかりながら施策を
推進されるのでしょう。
その結果、積極的な市民参加、さらに言えば市民主導のまちづくりが求められ
ます。つまりこれまで見られた「行政まかせの体質」から、「市民が主体で行
うまちづくり」への体質改善が必須となるでしょう。

選挙中、中田市長は公約として「市内分権」を掲げました。そもそも、地方分
権の基本的な考え方とは「市町村ができることは独自で行い、できないことを
県に、県でもできないことを国に補ってもらう」ことです。横浜市で言えば、
まず区で実施し、できないことを市でカバーするシステムを目指すことと、私
は理解しています。

これからは「横浜市に何をしてもらえるか」ではなく「横浜市になにができる
か」というスタンスでいきましょう。そして「まず、私たちの地域から」です
。自ら提案し、実施していくこと、これは必ず新市長は受け入れてくれると思
います。今はまさに横浜市が大きく変わるチャンスの時です。皆さんとともに
実践していきたいと思います。

このようなメールマガジンを通して、お互いを高め刺激しあう機会になればと
祈念しております。

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◆◇「オムニバス通信アンケート◇◆

各意見に対して、読者のアンケート調査をお願いいたします。

「オムニバス通信」アンケートのホームページ
  http://www.sanjocity.jp/~yokohama/takmi/enq/enq.cgi
において各意見に対して賛成される項目を投票いて下さい。

1)参考になった記事、面白かった記事の回答欄をチェックして「回答する」
  ボタンをクリックして下さい。 
2)複数回答は可能ですが、連続投票は反映されません。
 (1ユーザ1回の投票が可能になっております。)

□□―――――――――――――――――――――――――――――――――
3.編集後記
□□―――――――――――――――――――――――――――――――――

 多くの意見をお寄せいただいた市民のかたがたに感謝致します。この提案を
どのような形で整理するかは、編集部のほうでも結論がでていません。むしろ
市民のかたがたから寄せられた、中田新市長にかける期待と、思いを直接読ん
でいただきご判断頂きたいと思っています。
これらの提案や意見などについて、ご意見のある方は下記メールアドレスまで
お送り下さい。
 
発行:「横浜オムニバス通信」編集部   発行人:多賀、小池
E-Mail TaKMi@egroups.co.jp (多賀、小池)
URL:  http://home.catv.ne.jp/dd/taga/omni.htm 
URL:  http://homepage2.nifty.com/TaKMi/