鶴見川のうた
鳥がいなくなる前に…・
詩と写真 流域の渡り鳥 鎌田信勝
1.若しかすると僕たちは…・
鳥たちに会えなくなっても
気が付かないかも知れない
毎日が忙しすぎて
鳥の飛ぶ姿など
誰も気にしていないから
僕たちはいつ頃から
こんなに身近な自然を
忘れてしまったんだろう…・
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2.若しかすると僕たちは…・
鳥の囀りが消えても
驚かないかも知れない
毎日の暮らしに追われ
鳥のお喋りなんか
誰も聞いてはいないから
僕たちは何を求め
残り少ない自然まで
壊してしまったんだろう…・
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3.若しかすると僕たちは…・
いつかそんな事になると
気付いているかも知れない
だけど気付かぬ振りをして
自然を壊し続け
幸せを求め続ける
今からでも遅くない
皆んなで緑を残そう
鳥がいなくなる前に…・
  晩秋の野鳥観察

詩と写真 流域の渡り鳥 鎌田信勝
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枯れたクヌギの葉が風に吹かれ
舞い落ちる音が聞こえるような
そんな谷戸に一人来ました

物好きな人……と言われながら
何となく野鳥に会いたくって
心の扉を開けて雑木林を歩く



目を見張り耳を澄ませば
遠くで囀りが聞こえて来ます
ひょとするとあの声は……

右手奥のコナラの枝あたりに
小さな鳥が飛び交っている
双眼鏡で見ると縞模様が見える

そう、スズメ程のキツツキの仲間
コゲラが数匹、動き回っています
枝をつついたり逆さになったり

君たちは何を食べているの?
それは何?美味しいですか?
他愛もない会話が弾みます

少し寒い風のなか飽きもせず佇む
足元の枯れ葉が風に舞い上がり
谷戸に静かな時が流れる

     ・
     ・
     ・
そして
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鶴見川の渡り鳥“鎌田信勝さん”の詩集「鶴見川のうた」(1996年 230新聞社発行)
はとても素晴らしい詩集ですが、残念ながら、絶版になっています。
横浜市の図書館で読むことができます。私も早速、借りて読んでみました。
鎌田さんの詩は空想や観念から生まれた詩ではなく、鶴見川を愛し、仲間達と環境保護や清掃活動に汗を流し、上流から下流まで歩きまわり、鶴見川の生き物のことを考え、地球の未来を考えて、生まれた詩です。皆さんも一度読んでみてください。